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立ち直り反応(正向反射)

今回は、立ち直り反応について学んでいきましょう。

立ち直り反応は、別名「正向反射」ともいいます。頭や体幹、手足の向きを揃え、姿勢を回復させます。姿勢維持に必須の反射です。

立ち直り反応には、次の5つがあります。

  1. 頚の立ち直り反応

  2. 頭に働く体の立ち直り反応

  3. 体に働く体の立ち直り反応

  4. 迷路性立ち直り反応

  5. 視覚性の立ち直り反応

順番に見ていきましょう。


頚の立ち直り反応

頚の立ち直り反応は、赤ちゃんに見られる反射です。赤ちゃんの頭を左右に回転させると、体全体も頭と一緒に回転します。その様子が、丸太を回転させるのに似ているので、丸太様運動とも呼ばれます。頭と体を同じ方向に保つ働きがあります。立ち直り反応は、以前は正向反射と呼ばれていました。向きを正しくそろえる反射という意味では、正向反射という呼び名も捨てがたいものがあります。

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頭に働く体の立ち直り反応

頭に働く体の立ち直り反応は、赤ちゃんがうつ伏せになった時に、頭を持ち上げる反応です。赤ちゃんのお腹が床に接すると、頭が自然に持ち上がります。触覚刺激が頭を持ち上げるになるのが特徴です。頭が安定して持ち上がることで、赤ちゃんの視点が高くなり、視野も広がります。この反射も、赤ちゃんの発達に欠かせないものです。

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体に働く体の立ち直り反応

上半身と下半身のねじれが元に戻って、体幹部がまっすぐになる反応です。赤ちゃんは、はじめ胸部と腰部をねじることができませんが、発達につれて捩じることができるようになります。それを元に戻す反射が体に働く体の立ち直り反応です。この反射によって、足を持ち上げて横に倒した勢いで下半身をねじり寝返りしたりすることができるようになります。

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迷路性の立ち直り反応

私たちは、目をつぶっても垂直に立っていることができます。どうして垂直がわかるのでしょうか。耳の奥の内耳にある迷路と呼ばれる場所には、三半規管や耳石器という頭の傾きや加速度を感知するセンサーがあります。このセンサーで頭部の傾きを知ることができます。生後6か月ぐらいの赤ちゃんは、目かくしをしていても、頭を水平に持ち上げます。無意識に頭を水平に戻す反応が迷路性立ち直り反応です。

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視覚性立ち直り反応

目を開けて片足で立っていることは簡単ですが、目を閉じるとそうはいきません。

目を閉じると、安定して片足立ちでいられないのは、視覚性立ち直り反応が効かなくなってしまうからです。視覚情報によって、頭部を水平に保てるからこそ、私たちは上手くバランスを保つことができるのです。マウスの迷路の部分を破壊すると、真っ直ぐ姿勢を保つことができなくなりますが、しばらくすると他のマウスと見分けられないくらい普通に過ごせるようになります。複数の立ち直り反応がリスクをカバーしてくれるようになっているのです。

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立ち直り反応のまとめ

立ち直り反応は、5才くらいになるとわかりずらくなるものが多いですが、大人になっても運動中の姿勢コントロールを陰から支えている大事な反射です。主な作用をイメージできるようにしておきましょう。

​反射の種類

​主な反応

頚の立直反応

丸太のように転がる

​頭の立直反応

頭を浮かせる

​体の立直反応

体幹のひねりを戻す

迷路性立直反応

頭が水平になる

​視覚性立直反応

目を開けるとバランス↑


参考動画:頚の立ち直り反応


参考動画:頭に働く体の立ち直り反応


参考動画:猫の空中立ち直り反射



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