呼吸中枢は、延髄にあり、自動的に呼吸を調節しています。
呼吸筋は、骨格筋なので、意志で動かすこともできますが、寝ている時に呼吸が止まらなかったり、息を吸ったり吐いたり、常に意識的に努力しなくても呼吸ができるのは、呼吸中枢のおかげです。呼吸中枢は、延髄の広い範囲にわたっています。この中には、吻側延髄腹外側野には、呼吸のリズムを形成するニューロンがあります。
呼吸の反射性の調節
動脈血中の酸素分圧は、90~100mmHgに保たれており、総頚動脈の分岐部にある「頸動脈小体」や大動脈弓にある「大動脈小体」で感知されています。酸素分圧が下がると、内臓求心性神経を通して、呼吸中枢に情報が送られ換気量が増えます。また、延髄には、二酸化炭素分圧を感知するセンサーがあり、血中の二酸化炭素分圧が上がると換気量が増えます。
へーリング・ブロイエル反射
肺に空気を吸い込むと、肺がふくらみ、気管支平滑筋の伸展受容器が刺激されて、迷走神経を介して、延髄背側の吸気ニューロンを抑制するニューロンが興奮し呼気が誘発されます。吸気から呼気への切り替えに重要な役割を果たし、肺が伸展し過ぎないよう、防御反射の役割もしています。肺迷走神経反射とも呼ばれます。人間では、通常の呼吸時には、あまり関与しないとも言われています。
オンディーヌの呪い病
水の妖精オンディーヌが裏切った恋人のハンスにかけた呪いは、意識的にしか呼吸ができなくなるというものでした。ハンスは、寝ないように努力しましたが、ついに、眠ってしまい死んでしまいます。睡眠時無呼吸症候群は、オンディーヌの呪い病と言われていました。
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